右田百女句碑は、和歌山県高野山奥の院の関東大震災霊牌堂東側にある。
句碑表面上段には、獣医学博士右田百太郎の像が刻され、下段に次の句が刻されている。
うつくしく 物みな映れ 初鏡 百女
初鏡は、正月初めて化粧する顔を映す鏡である。
初化粧する華やぎのある顔を映す鏡であるが、句材として扱う場合は、その心を表現することが多い。
かがみは、影見(かげみ)が訛ったものという。姿を映すことから転じて、心を正す規範としての意味を持ち、
鑑(かがみ)(手本・いましめ)の意に派生していることを考えれば、心を映した句が多い。
(入門歳時記 新版 参照)
右田百太郎は福岡県出身の獣医学者で、妻の貞枝は高浜虚子に師事して右田百女と号した。
南海高野線高野山駅からバスで奥の院口下車、徒歩5分。