明王院

明王院は、和歌山県高野山の本中院谷にある真言宗の別格本山である。
高野山全体の結界の要として、壇上伽藍から見てちょうど鬼門の位置にあたる丘の上に空海が建立した、五大堂が始まりで、五大明王を本尊としていたといわれている。
その後火災で失われ、現在は赤不動尊が本尊となっている。
寺伝によると、唐に渡った天台宗の円珍が日本へ戻り比叡山で修行している時、神々しく真っ赤な姿の不動明王を見たという。
それを残したいと思った円珍は、頭に岩を打ち付けて、流れた血を絵具に混ぜて書き写したといわれ、それがこの赤不動(絹本著色不動明王二童子像)になった。
南北朝時代になると、後醍醐天皇が念持仏として赤不動を尊崇し、吉野へ逃れる時も道中をともにした。そして、戦火の届かない高野山明王院に勅命でおさめられた。
秘仏となっているが、毎年4月28日の開帳日には、法要が行われその姿を見ることが出来る。
赤不動は、近江園城寺(三井寺)の黄不動、京都青蓮院の青不動とともに、三不動と呼ばれている。
南海高野線高野山駅からバスで金剛峯寺前下車、徒歩5分。



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