奥の院中の橋

中の橋は、和歌山県高野山奥の院にある。
中の橋とその下の川について、昭和4年に高野山金剛峰寺が発行した「高野のしほり」には、次のように記されている。
●中の橋
 一の橋より八町計(ばかり)に在
 是第二橋なり 昔は手水橋と称せり。
 大師曾て此流れに盥嗽(くわんそう)し玉ひしより。手水渓の名を得たりとぞ。
 参詣の者習うて此水に盥(てあら)ひ嗽(くちそゝ)ぎしが、今は其事止みぬ。
●金河(きんか)
 橋下の流の名
 又 美志頭萬利河(みしづまりがは)と称す。
 此奥に嵯峨天皇の御墓(みはか)ある故、御鎮(みしづ)まり、又如来圓寂の傍を流るゝを金河(きんが)といへれば、 倶(とも)に御墓に依りて名づくる所也とぞ。
 又 手水渓とも云へり。其源転軸山に発し、此を過ぎて東流及び玉川の末と混ず。

山口文章氏は、新高野百景Ⅱの中で、金河について次のように説明している。
 また、高野山秘記によれば手水谷は「金河(きんのかわ)」とも呼ばれていました。
 山伏は死ぬことを「金になる」ということから「金河」は「死の河」、つまり三途の川のような存在であり、この河が死の世界との境界であることを意味しています。
 そして中の橋は死の世界をつなぐ道であると信じられてきました。

南海高野線高野山駅からバスで奥の院前下車、徒歩5分。バス停西側に路側帯駐車枠がある。



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