柳の渡しは、奈良県大淀町にある史跡である。
現地の案内板には、次のように記されている。
柳の渡し(町指定文化財)
「柳の渡し」は、大淀町北六田(きたむだ)と、南岸の吉野町六田(むだ)とを結んだ渡しである。
平安時代に醍醐寺の開祖・聖宝理源(しょうぼうりげんだいし)(八三二~九〇九)が開いたとされ
美吉野橋(みよしのばし)がかかるまで、「桜(さくら)の渡し(桜橋)」「椿(つばき)の渡し(椿橋)」「桧(ひのき)の渡し(千石橋)」とともに、大いに賑わった。→ 旧跡 桜の渡し 石碑
その北岸には柳が茂り、天明(てんめい)六年(一七八六)建立の道標を(どうひょう)を兼ねた石灯篭(いしどうろう)や石造の道標が残る。
これらは、現在地よりやや上流にあった元来の渡し場から、この前を通る道路の拡幅に伴い、移設したものである。
平成十七年六月二十一日、町指定文化財(史跡)となる。
なお、六田の淀の清流の風情については奈良時代に成立した万葉集のなかで次のように詠まれている。
音聞(おとにきき) 目者未見(めにいまだみめ) 吉野川(よしのがは) 六田之與杼乎(むだのよどを) 今日見鶴鴨(けふみつるかも) (巻七 ー 一一〇五)
河蝦鳴(かはづなく) 六田乃川乃(むつたのかはの) 川揚乃(かはやぎの) 根毛居侶雖見(ねもころみれど) 不飽河鴨(あかぬかはかも) (巻九
ー 一七二三)
平成十七年六月
大淀町教育委員会
ここの渡し場は、大峯修験の行者のために開かれたといわれている。
「大峯奥駆け七五靡(なびき)」で吉野川からの最初の行場、熊野から吉野への山岳修行の行程の第七五番目満行の地となっている。
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