光明山 林照院 月江寺

光明山林照院月江寺は、大阪市天王寺区生玉寺町にある浄土宗の寺院である。
元亀元年(1570)織田信長と浄土真宗本願寺(石山本願寺)との合戦が始まり、信長は当地に天王寺城を築いた。
天正8年(1580)に石山合戦が終わり、天王寺城も廃城となった。
江戸時代に入り、元禄10年(1697)東印比丘尼が第5代将軍徳川綱吉の生母 桂昌院の両親の菩提を弔うために月江寺を開創した。

摂陽奇観 巻二十二に次のように記されている。
元禄十丁丑 天王寺町月江寺建立 浄土宗 光明山林照院と号ス 女僧寺也
開基東印比丘尼 此地佐久間信盛の城跡也 此城天正十年ニ亡 → 佐久間信盛の墓所 相浦道

日本古典文学全集99 文楽浄瑠璃集によると、当寺は享保年中に再建され、792坪の境内に本堂、庫裏、書院などが立ち並んだ。
大阪地蔵巡り四十八ヶ所の第三十五番。

人形浄瑠璃「摂州合邦辻 合邦住家の段」では、玉手御前の菩提を弔うため俊徳丸が寺院を建立する話が、次のように語られている。→ 合邦辻焔魔堂
俊徳丸も涙を留め
「広大無辺の継母の恩、せめて少しは報ずるため、出世の後はこの辺に一宇の寺院を建立し、母の尼公を住侶(じゅうりょ)せん。
継母は貞女の鑑とも曇らぬ心は清(す)める江に、月を宿せし操をすぐに、月江寺(げっこうじ)と号(なづ)くべし」
と仰せは今も尼寺と、常念仏の鉦の音に昔の哀れや残るらん



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