猿沢池

猿沢池は、奈良市登大路町にある。
面積は7200㎡、周囲約300mで、興福寺の放生池(魚などを放して功徳を得る儀式のための池)としてつくられた。
池畔から興福寺五重塔を見上げた景色は、奈良の代表的景色として知られている。
池の北西にある采女神社は、天皇の寵愛を失って猿沢池に身を投げた女官を祀っており、謡曲「采女」の題材ともなっている。
池の南東には、采女が入水するときに着物を掛けたと伝えられる衣掛柳がある。
毎年秋の仲秋の名月の夜には、池に花扇を浮かべて采女祭りが行われる。
池畔の案内板には、猿沢池の七不思議として、「澄まず濁らず、出ず入らず、蛙はわかず藻は生えず、魚七分に水三分」との言い伝えが紹介されている。

また桂米朝氏「米朝ばなし上方落語地図」では、落語「猿後家(さるごけ)」で、この後家さんの前では「さる」が禁句のため、猿沢池を「さむそうの池」として次のように語られている。
「魚半分、水半分、そこは竜宮まで届くような深い池で、だれが見てもゾーとさむけを催しますので”さむそうの池”と。」



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