大梅山興禅寺は、兵庫県丹波市春日町にある曹洞宗の寺院である。
本尊は釈迦如来である。
もと黒井城主の赤井(荻野)悪右衛門直正の下屋敷跡にあたる。
直正の夫人が関白近衛家の娘であったことなどから、近衛家をはじめ多くの寄進を受けた記録が残っている。
天正7年(1579)8月の黒井城落城後は、明智光秀の家臣 斎藤内蔵介利三が居住し当地を統治した。
利三は、坂本城にいた妻 お安と子供たちをこの陣屋に呼び寄せた。
そして天正7年の年の瀬に娘のお福(後の春日局)が当地で誕生した。
門前には、「春日局出生地」の碑があり、境内には、「お福産湯の井戸」や「お福の腰かけ石」がある。
お福は、物心のつく3歳の冬まで当地で育ち、天正10年(1582)4歳の春には丹波亀山城にいたが、父 斎藤利三は本能寺の変後、山崎の合戦で敗れ、京都の六条河原で処刑された。→ 斎藤利三墓所
お福は、その後、母方の一族 稲葉重通(しげみち)の養女となり、稲葉正成との婚姻を経て、慶長9年(1604)26歳で徳川家光の乳母となっている。
興禅寺は、寛永5年(1628)御油(ごゆ)村 円通寺12世融山の開山と伝えられ、初めは誓願寺と称し、東町にあったが、明暦4年(1658)関翁が再興し、現在地に移ったといわれる。
門前の石橋を挟んで、東西にのびる長さ約80mの水濠は、「七間堀」と呼ばれ、内側には高石垣が連なっている。
また、北側の裏山には2基の宝篋印塔がある。赤井氏の菩提寺といわれる大野区の千丈寺から移されたもので、室町時代のものである。
JR福知山線黒井駅下車、徒歩15分。参拝者用の駐車場がある。
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